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SFTS(重症熱性血小板減少症候群)について

こんにちは!三鷹・武蔵境・新小金井・調布エリアで診察を行う、三鷹アニウェル動物病院です。

今回のコラムは、『SFTS(重症熱性血小板減少症候群)』について解説します。SFTS(重症熱性血小板減少症候群)は、日常のなかに潜んでいるマダニを介して感染する非常に危険なウイルス感染症です。

SFTSに感染した猫からヒトに感染した報告があり、実際に今年2025年にはSFTS感染猫を診察した獣医師が感染し亡くなった悲しい事例もあります。

犬や猫への予防薬やブラッシングやシャンプー等の日常のケアでリスクを下げることが出来ます。大切な命を守るために、ぜひとも日頃から対策をしていきましょう。

(あわせてこちらの記事もご確認ください)

SFTS(重症熱性血小板減少症候群)とは?

SFTSウイルスを持つマダニに咬まれることでヒトや犬や猫といった動物に感染するウイルス感染症です。また、SFTSに感染した動物(犬や猫など)の血液や分泌物に触れることでも感染することもあります。

中国にて2011年に初めてヒトへの報告されて以来、東アジアや東南アジアで患者が確認されています。日本でも2013年以降、西日本を中心に患者が確認され、近年は年間100例以上の報告があります。

2025年8月3日時点で、124件の発症が報告されており、昨年2024年の120件をすでに上回っております。

病原体

フェヌイウイルス科バンダウイルス属の重症熱性血小板減少症候群(Severe Fever with Thrombocytopenia Syndrome : SFTS)ウイルス

感染経路

主にSFTSウイルスを保有するマダニに刺されることで感染する。 SFTSを発症している動物との接触により感染することもある。

潜伏期間

6日~2週間程度

(参照)厚生労働省「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)について

人間だけでなく、犬や猫にとっても恐ろしいSFTSの死亡率

SFTSの恐ろしいところは、その死亡率の高さです。

人間の致死率は約27%と言われ、ウイルス感染症の中でもかなり高い致死率です。日本国内での人間の死亡件数は、近年だと年間10件以上報告されています。

そして、猫は約60%、犬は約44%と感染してしまうとかなり高い確率で命の危険にさらされます。

主な症状について

SFTSの症状としては、以下があげられます。他の感染症や疾患とも症状が似ているため、飼い主さんの判断は非常に難しいかと思います。大切な命を守るためにも、すぐに動物病院へ相談いただくようお願いいたします。

【初期症状】

  • 発熱

  • 元気消失/ぐったりしている

  • 食欲不振

  • 嘔吐

  • 下痢

  • 黄疸

【進行後の症状】

  • 意識障害

  • 出血症状(歯肉からの出血、皮下出血など)

  • 多臓器不全などを引き起こし、最悪の場合死に至る

犬や猫のSFTSの治療方法について

残念ながら、現段階ではSFTSの有効な治療方法は確立されていません。

SFTSの疑いがもたれる場合、静脈点滴などの対症療法を行っていきます。

早期に治療を開始することが大切なので、繰り返しになりますが飼い主さんは大切な家族に異変がみられた際には、すぐに動物病院に連れて行くようにしてください。

犬や猫のSFTSの予防方法について

マダニ予防には、ワクチンなどの予防はないため、飼い主さんが草むらへの立ち入り制限やマダニの駆虫薬の使用を徹底して行う必要があります。

毎月のマダニ駆虫

SFTSを予防するためには、マダニの駆虫が最も大切です。毎月のマダニ駆虫は忘れずに行いましょう

月に1回の投薬で、ノミ・マダニだけでなく、フィラリア症や耳ダニ、おなかの虫(回虫や鉤虫)などもまとめて駆虫できます。複数の予防を一度にできる 『オールインワンタイプ』 のお薬は、忙しい日々の中でも猫をしっかり守ってくれる頼もしい選択肢のひとつです。

マダニを無理やり抜かない

無理に引き抜くとマダニの一部(口器)が皮膚内に残って化膿したり、マダニの体液を逆流させて病原体が体内に入りやすくしてしまう恐れがあります。

犬・猫は動物病院を、人は皮膚科を受診してください。

お散歩コースを見直す

ノミ・マダニは、公園や草むら、河原など、屋外の様々な場所に生息しております。マダニの駆虫薬をつけていても、刺されてしまうと感染する恐れがあるため、なるべく草むらなどに立ち入らないことをおすすめします。

放し飼いの猫、家族と外出する猫は、これらの場所に近づくことが多く、ノミやマダニが寄生してしまうリスクが高いです。

また、室内飼い猫は、外にでる機会は少ないため、ノミ・マダニに寄生されるリスクは低減されます。しかし、迎い入れた際や動物病院へ予防接種に外出した際に寄生される可能性もあります。完全に室内で暮らしている子であっても、しっかりと意識してあげることが大切です。

お散歩後は必ずブラッシングする

散歩後にブラッシングを行い、マダニがついていないかどうか確認することはとても重要です。マダニは目視でも発見可能です。家に帰ったらブラッシングをして、マダニが付着していないか確認してあげましょう。

定期的なシャンプーを行う

シャンプーをすることで、マダニの成虫や卵、幼虫を洗い流すことが出来ます。

犬に比べて猫は水やドライヤーが苦手な子が多いため、可能な限りで大丈夫です。以下の点に注意して、愛猫をシャンプーしてあげてください。

  • 猫が嫌がる場合は、無理にシャンプーをしない

  • シャンプーをした後は、しっかりと毛を乾かしてあげる

まとめ

SFTS(重症熱性血小板減少症候群)は、日常のなかに潜んでいるマダニを介して感染する非常に危険なウイルス感染症です。致死率も非常に高く、人間にとっても犬や猫にとっても命の脅威になります。

残念ながら、狂犬病などとは異なり、ワクチン等の予防が出来ません。そして、有効な治療方法もまだ確立されていません。しかし、飼い主さんの日常での習慣で感染リスクを下げることは十分に可能です。

犬や猫への予防薬やブラッシングやシャンプー等の日常のケアでリスクを下げることが出来ます。大切な命を守るために、ぜひとも日頃から対策をしていきましょう。

気になる症状があれば、すぐに動物病院へご相談ください。


三鷹アニウェル動物病院でのマダニ予防について

当院では、武蔵境、三鷹、小金井などの幅広いエリアの患者様から、マダニ予防やSFTS対策についてご相談いただいております。

犬や猫の体質や生活スタイル、同居猫・犬の有無などから複合的に判断して方針を決定していけたらと思います。些細なことでもご相談いただけたらと思います。

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