こんにちは、三鷹・武蔵境・新小金井エリアで診察を行う三鷹アニウェル動物病院です。
感染症から猫や犬を守るために行う役割がワクチン接種にはあります。しかし、ワクチン接種をしても、ワクチンを正しく接種しても、十分な免疫(抗体)がつかない「ノンレスポンダー(non-responder ワクチン非応答性)」と呼ばれる体質の子がいます。
今回のコラムでは、そんな『猫のノンレスポンダー』について解説いたします。
(参考)【知識】混合ワクチンについて~ノンレスポンダーとは?~
ノンレスポンダーであること自体は、犬や猫の健康を害するわけではありません。しかし、ワクチン接種を通しての予防が出来ない(感染症に打ち勝つ抗体が出来ない)ということは、感染症にかかるリスクは残ってしまいます。
どうやって、『大切な愛猫・愛犬を感染症から守るか』を飼い主さんがこうした子のための環境を管理してあげることが重要です。また、ノンレスポンダーの子には免疫不全の可能性も考えられるので、継続的な治療が必要となってくる可能性もあります。
もし、愛猫・愛犬がノンレスポンダーであった場合に、どういった対応をすべきなのかを考えていきましょう。
なぜワクチンによる免疫がつかないのか?
ノンレスポンダーの体質の原因・理由は様々ですが、主に次のようなことが挙げられます。
遺伝的な問題
免疫の 「記憶」 を作る働きが弱い体質のため、ワクチンを異物として正しく認識できないことがあります。移行抗体の干渉が長く続いていた
このケースは、根本的なノンレスポンダーではありません。
初回のワクチンシリーズの時期が早すぎると、母親からもらった移行抗体によってワクチンが無効化される場合があります。
免疫系に何らかの障害がある(先天性または病気による免疫不全)
特に重度の免疫不全の場合は、ワクチンの反応が極めて弱くなることがあります。
猫のノンレスポンダーはどのくらいの確率で起きるの?
犬に比べて、猫のノンレスポンダーはごく稀だと言われています。猫がノンレスポンダーである確率には正確な数値は発表されておりませんが、一般的に数%程度とされています。ワクチンの種類や接種回数などによって変動すると言われています。
猫汎白血球減少症の原因となる猫パルボウイルス(FPV)に対しては、ノンレスポンダーの報告があり、特に注意が必要です。
(参考)猫の混合ワクチン接種について
抗体検査によって、ワクチン接種後に抗体がついているかを判定することが出来ます。しかしあくまでも一時的な抗体状況の確認となるため、複数回の検査や複合的な診察によって見極めていきます。
どう対応すればよいのか?
ノンレスポンダーであることを確定するのは難しいのですが、何度ワクチンを接種しても抗体が確認されない場合は、ノンレスポンダーの可能性が高い考えられます。体内に十分な免疫がついていない可能性があるため、ワクチン接種をしっかりとおこなっても感染症にかかるリスクは残ります。
そのため、こうした子たちには、感染予防のための環境管理がとても重要です。
外出を控える
室内外ともに、他の動物との接触を極力避ける
WSAVAガイドラインでは、『ノンレスポンダー』 を想定して、初回ワクチンシリーズの最終ワクチンを16週齢以降に打つことと、その6-12か月後にブースター接種を行うことを推奨 をしています。このブースター接種によって、初回シリーズで免疫がうまくつかなかった子でも、改めてしっかりと免疫を獲得できることが多いと報告されています( Day MJ. et al.( 2016))。
三鷹アニウェル動物病院でのワクチン接種について
当院では、それぞれの猫や犬の体質や生活スタイルに合った予防プランを、一緒に考えてまいります。愛猫、愛犬を迎い入れた経緯や、暮らしの環境など、様々な視点から複合的にその子にあった予防方法を考えていけたらと思います。
ノンレスポンダーであること自体は全くもって疾患ではないですが、予防接種(ワクチン接種)が効かないことを考慮した予防が大切です。愛猫・愛犬の健康を守るために、共に考えていけたらと思います。
分からないことやご不安な点があれば、どうぞお気軽におたずねください。

