こんにちは。三鷹・武蔵境・新小金井・調布エリアで診察を行う、三鷹アニウェル動物病院です。
今回のコラムは、猫ちゃんの『去勢手術』について解説します。
はじめに
猫の去勢手術は、望まない妊娠を防ぐ以外にも、生殖器やホルモン分泌異常による病気を予防する目的もあります。
特に、シニア以降は生殖器やホルモン分泌異常による病気の発症リスクが高い傾向にあります。繁殖を望まない場合、早期の去勢手術が予防には効果的です。
一方で、去勢手術にはリスクやデメリットがあることも事実です。健康な愛猫に去勢手術をするのかどうか、リスク等をどう考えるのかでお悩みのご家族も多くいらっしゃるかと存じます。ご家族だけで悩まれるのではなく、ぜひ動物病院にもご相談いただけたらと思います。
猫の去勢手術は必要なのか?
個体差はありますが、多くのオス猫は生後6〜12カ月頃に成猫となり、繁殖が可能になります。成猫になったオス猫は、活発に行動することが増え、おうちからの脱走やマーキングなどの発情行動が盛んになります。具体的なマーキング行動としては、家のあちらこちらで尿を吹きかける行動をとるようになります。ちなみに、マーキング時の尿は自分の強さをアピールするために、強いニオイを放ちます。
去勢手術には、多くの猫にとってこのような発情行動を減らすのに有効です。また、猫は交尾をすることで排卵を促す「交尾排卵」という妊娠形態を持つ動物なため、交尾を行うと高い確率で妊娠します。望まない妊娠を防ぐためにも、去勢手術は効果的といえるでしょう。
(参考)猫の避妊手術について
猫の去勢手術に適した時期について
去勢手術は、オス猫が発情期のマーキング行動を覚える前に行うことが推奨されています。
しかし、去勢手術を行う時期が早すぎると、骨格の成長に悪影響を及ぼすことがあるため、それぞれの子の発育状況を獣医師と事前に相談して決定するようにしましょう。
当院では、5か月~7か月齢での去勢手術を行う場合が多いです。
猫の去勢手術のメリット
①望まれない繁殖の防止
内容 | 補足 |
|---|---|
猫やご家族の負担を軽減するためにも、適切な繁殖が望まれる | 前述のとおり、猫は交尾を行うとほぼ確実に妊娠します。また、一度の出産で多くの子猫を生むため、繁殖が続くとかなりの子孫が残ることとなります |
②マーキング(尿スプレー)の軽減
(参考)Canadian Veterinary Medical Association (2012). Benefits of Neutering Male Cats.
内容 | 補足 |
|---|---|
去勢をすることで、約90%のオス猫でマーキング行為の消滅または軽減がするとの報告あり | 発情行動の発現前の手術が有効とされています |
③攻撃性・脱走行動の抑制
内容 | 補足 |
|---|---|
発情に伴う興奮や、外への関心や外出への衝動が弱まる傾向 | 興奮や外出への衝動は猫にとっても大きなストレスとなります |
④喧嘩による外傷や感染予防
内容 | 補足 |
|---|---|
他のオス猫との縄張り争いがなくなり、喧嘩を行うリスクが低減。ケガによる感染症のリスクも低減される | 縄張り争いによるケガは多く、時には重症になることもあります。また、傷口からFIVやFeLV等の感染症にかかることもあります |
⑤精巣・前立腺の病気の予防
内容 | 補足 |
|---|---|
生殖器やホルモン分泌異常による病気の発症リスクが低減 | 精巣腫瘍の発症を防ぎ、前立腺肥大や関連疾患の予防効果も期待されます |
⑥発情ストレスの回避
内容 | 補足 |
|---|---|
発情期のストレスが軽減し、落ち着きのなさや、発情期特有の鳴き声、攻撃性が低下 | 猫のストレスが回避できるのと同時に、ともに生活する人間や他の猫を含む動物のストレス軽減にもつながります |
猫の去勢手術のデメリット
①全身麻酔と手術のリスク
内容 | 補足・対処法 |
|---|---|
出血・感染・麻酔反応などの合併症 | 術前検査や安全管理でリスク軽減 |
②術後の体重増加
内容 | 補足・対処法 |
|---|---|
性ホルモンの減少により代謝が落ち、食欲が増す傾向がある | 食事と運動でコントロール可能 |
③整形外科疾患
内容 | 補足・対処法 |
|---|---|
十分に発育していない段階での去勢手術によって、股関節形成不全などのリスクが上昇 | 骨の十分な発育を確認したのちに手術を行う等の事前確認が重要 |
④縫合糸反応性肉芽腫
内容 | 補足・対処法 |
|---|---|
縫合糸などの異物に対する反応により、しこりや炎症が生じる可能性があります | ・特定の糸で発生しやすい |
三鷹アニウェル動物病院での対応について
当院では、武蔵野市・三鷹市・小金井市・調布市・西東京市を中心に、多くの患者様から避妊手術、去勢手術のご相談をいただいております。
病気を発症していない中での去勢手術の実施を行うか否かを悩まれる方も多いかと思います。ご自身やご家族だけでは決めきれず、より詳細な情報を希望される際は、お気軽に当院にご相談ください。
事前に担当医と共に手術の内容やリスク、スケジュール、費用といった事項を相談させていただき、その子とご家族にとって最もふさわしい方法を一緒に考えていきます。
避妊・去勢の手術の実施を検討している方、悩まれいる方は当院までご相談ください。些細なことでも構いませんので、お考えをお聞かせください。

