こんにちは!三鷹・武蔵境・新小金井・調布エリアで診察を行う、三鷹アニウェル動物病院です。今回のコラムは、『犬や猫の食欲不振』について解説します。食事や水分摂取は、犬や猫の健康を保つ上でとても大切です。性格や特性によって、食欲旺盛な子とそうではない子がおりますが、24時間以上食べない等の事象は何か疾患や体調を崩していることを疑います。犬や猫の食欲不振には、どんな原因があるのか?また、その対処方法について解説していきます。はじめに大切な家族である愛犬や愛猫がごはんを食べてくれないと、病気ではないかと心配になりますよね。もちろん体調不良が原因の場合もありますが、意外と多いのが「わがまま」や「環境の変化」、「ストレス」が原因のケースです。今回は、食欲が落ちている時に考えられる原因と、その対処法についてお伝えします。原因:食の好みの変化、わがまま対処法:フードを少し温める飽きてしまったごはんでも、温めることで香りが強くなり、食欲が刺激されることがあります。ただし、やけどをしないよう人肌程度に温めてあげてください。 対処法:ごはんを食べなくても、時間を決めて片付けるごはんを出したら15〜20分を目安に、食べなくても一度食器を片付けてみましょう。「この時間内に食べないと下げられてしまう」と理解することで、集中して食べる習慣がつきます。 対処法:おやつを控えるおやつを食べすぎることでごはんの時間にお腹がすかず、食いつきが悪くなる原因になります。また、ごはんを食べなかったからといってすぐにおやつをあげてしまうと、犬や猫は「ごはんを食べなければおやつがもらえる」と学習してしまいます。ごはんを食べなかった場合は、次の食事の時間までおやつは我慢させましょう。原因:食事環境の変化、ストレス対処法:安心できる場所に変える食事の場所を静かで落ち着ける場所に変えてみましょう。人の移動や来客が多いリビングの一角よりも、落ち着いた部屋の方が安心して食べられることがあります。また、多頭飼いの場合は、個々の性格などを考慮し、その子にとって居心地のよい食事環境を見つけることが大切です。 対処法:食器を変えるその子の体格に適した深さ、大きさの食器を選ぶことも重要です。特に猫は、食器の縁にひげが当たるのを嫌がる子もいるため、猫の頭より一回り大きいものを選ぶと食べやすくなります。また、食べている時にお皿が動いてしまう場合は食器スタンドを使用したり、裏に滑り止めがついた食器を使用するのも効果的です。原因:生活環境のストレス対処法:適度な運動を取り入れるストレス発散に加え、エネルギー消費のためにも適度な運動は重要です。犬の場合は散歩の時間を増やしたり、おもちゃで遊んであげたりして、体を動かす機会を作りましょう。猫の場合はキャットタワーを置くなど、上下運動ができる環境を整えてあげることも大切です。 対処法:室温の管理特に夏場は、人間と同じように夏バテにより食欲が低下することがあります。犬種・猫種や年齢にもよりますが、室温は20~25℃、湿度は40~60%を目安に管理しましょう。また、自分でも温度調節ができるよう、夏なら接触冷感機能のあるマット等を敷いた涼しい場所、冬なら毛布を敷いた暖かい場所など、選択肢を作ってあげることも大切です。原因:加齢による身体的な変化対処法:食事の体勢を楽にしてあげる首の筋力が低下してきた高齢動物にとって、下を向き続けながらの食事は大きな負担がかかります。また、飲み込む力も衰えるため、下を向き口が食道よりも低い状態で食事をしていると、誤嚥のリスクも高まります。そのため、食器台を使用して食器の高さを調節したり、お皿に角度のついた食器を使用することで食べやすくなります。足腰の力が弱くなってきた子には、立つ位置に滑り止めマットなどを敷くことで、前足の負担を軽減し、後ろ足の踏ん張りをサポートすることができます。対処法:消化の良いごはんにする年を重ねると消化器系の働きが弱まり、食べたものの消化や吸収に時間がかかるようになります。これにより、次にお腹が空くまでの間隔が長くなるため、結果として食事量が減ってしまうことがあります。ペットフードをお湯で柔らかくふやかしたり、消化の良い食材をあたえることで、胃腸への負担を軽減することができます。また、一回の食事で与える量を減らし、食事の回数を増やすことでも、一度の消化にかかる負担を軽減させることができ、食事への意欲を維持しやすくなります。こんな時は、すぐに動物病院へ行きましょう上記のような、一過性の原因や加齢による影響であれば、大きな問題はありません。しかし、食欲不振だけでなく、以下のような症状が見られる場合は、疾患の可能性が疑われます。すぐに動物病院へ向かい、検査を受けるようにしましょう。24時間以上全くごはんを食べないぐったりしている、元気がない下痢や嘔吐を繰り返している水を飲む量に変化がある(極端に多い、全く飲まない)おしっこやうんちの様子がおかしい体重が急激に減った大切なのは”日々の観察”ですごはんを食べないという行動の背景には、さまざまな理由が隠されています。特に、高齢の動物や、急に全く食べなくなった場合は、病気のサインである可能性も高くなります。食事中の様子も含め、日頃から大切な家族の様子をよく観察してあげてください。少しでも気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。三鷹アニウェル動物病院について当院では、武蔵境、三鷹、小金井などの幅広いエリアの患者様から、犬や猫、うさぎ、ハムスター、ハリネズミ等の食欲不振に関するご相談を多くいただいております。特に、気温が高い時期などは、食欲不振になる動物さん達も多いです。食欲不振が一過性の場合もありますが、腫瘍(がん)や消化器不全等の重大な疾患が原因の可能性もあります。少しでも違和感を感じたら、ご家族だけで悩まずにすぐにご相談ください。犬・猫・うさぎ・ハムスター・ハリネズミ等の動物さん達の体質や生活スタイル、同居猫・犬の有無などから複合的に判断して方針を決定していけたらと思います。些細なことでもご相談いただけたらと思います。