こんにちは。三鷹・武蔵境・小金井・調布・西東京エリアを中心に診察を行う、三鷹アニウェル動物病院です。ふと、「犬や猫にも血液型ってあるのかな?」「輸血するとき、犬の血液ってどうなっているの?」と思ったことはありませんか?今日はそんな『犬の血液型』についてのおはなしです。はじめに私たちヒトと同じように、犬にも血液型があります。 ただし、犬の血液型はヒトよりもずっと種類が多いことをご存じでしょうか。犬の血液型は、現在知られているものだけでも10種類以上あるとされています。「そんなにあるの?」と感じられる方も多いかもしれません。普段の生活の中で血液型を意識することはほとんどありませんが、ある場面で血液型がとても重要な意味を持つことがあります。それが輸血です。大きな手術、重度の貧血、出血を伴う病気など、動物医療の現場では「どうしても血液が必要」という状況が起こります。 そんなとき、血液型が合っているかどうかはヒトと同様に、命を守るための大切なポイントになります。犬の血液型は何種類あるの?犬の血液型は、主にDEA(ディーイーエー:Dog Erythrocyte Antigen/イヌ赤血球抗原)という分類で表され、10種類以上あるとされています。血液型は、赤血球の表面についている「目印」の違いによって決まります。この基本的な考え方はヒトも犬も同じですが、犬では目印の種類や呼び名が異なります。犬の場合、血液型は番号(DEA1、DEA3 など)で呼ばれます。それぞれの番号の「目印」を持っていれば「+(プラス)」、持っていなければ「-(マイナス)」と表されます。主な血液型には、以下のようなものがあります。DEA 1(+/-)DEA 3(+/-)DEA 4(+/-)DEA 5(+/-)DEA 7(+/-)犬は、DEA 1 だけでなく、DEA 3 や DEA 4 など、複数の血液型の目印を同時に持っています。ヒトでは「A型 Rh(-)」のように血液型が表されますが、犬の場合は、1頭の犬の血液型が 「DEA 1(+)、DEA 3(-)、DEA 4(+)、DEA 5(-)、DEA 7(+)…」といったように、複数の番号とプラス・マイナスの組み合わせ(血液型のプロフィール)で表されます。ヒトとは血液型の表記や分類が異なるため分かりづらいかもしれませんが、輸血が必要な場面では命を守るために欠かせない情報です。輸血の前に、必ず確認するのが「DEA 1(+)」か「DEA 1(-)」か犬の血液型は10種類以上ありますが、輸血の際に必ず確認する最も大切な血液型が 「DEA 1」 です。DEA 1 には、「プラス(+)」と「マイナス(-)」の2種類があります。この型が合わない血液を輸血すると、体が強く拒否反応を起こしやすく、以下のような症状が現れます。重度の場合には、命に関わることもあります。 発熱、震え、元気消失血圧低下、呼吸困難溶血、黄疸臓器障害凝固障害ショックそのため、輸血を行う際には、最も強い影響を与える血液型である DEA 1 が 「DEA 1(+)」か「DEA 1(-)」かを血液型判定キットを用いて調べます。また、2回目以降の輸血で問題になりやすい血液型として、DEA 3、DEA 5、DEA 7 があります。これらは、最初の輸血では問題が起こらなくても、輸血後に体の中で抗体が作られ、次の輸血で反応が起こることがあります。一方で、ほとんどの犬が陽性(+)とされる血液型が DEA 4で、輸血時に大きな問題になることは稀です。「DEA 1」以外の血液型は無視してよいの?それでは、「DEA 1」以外の血液型は無視してよいのでしょうか?その答えは「いいえ」です。 犬の血液型には DEA 1 以外にもいくつかの種類があり、それらも輸血の安全性に関係します。ただし、DEA 3やDEA 5 など DEA 1 以外の血液型については、研究や専門的な検査で調べる方法はあるものの、すべての血液型を一つ一つ詳しく調べることは、実際の臨床現場ではほとんど行われていません。その理由のひとつは、DEA 1 以外の血液型による反応は、血液型検査の結果だけでは予測しきれないことがあるためです。 そこで、輸血の安全性を高めるために行われるのが、相性を直接確認する検査(クロスマッチ検査)です。クロスマッチ検査では、輸血を受ける犬(レシピエント)と、血液を提供する犬(ドナー)の血液を少量ずつ混ぜて、問題が起こらないかを調べます。輸血を受ける側の体が、提供される血液を拒否しないか(主反応)提供される血液が、輸血を受ける側の体に悪影響を与えないか(副反応) このように、クロスマッチ検査で、輸血前に両方向の相性を事前に確認しています。クロスマッチ検査は、輸血の安全性を高めるために広く行われている重要な検査です。輸血を安全に行うための「2段階チェック」①まず、最も重要な血液型であるDEA 1を確認②次にクロスマッチ検査で細かい相性を検査犬の輸血の基本ルール血液を受け取る側 (レシピエント) 基準DEA 1 (-)の犬 : DEA 1 (-)の血液のみ受け取れるDEA 1 (+)の犬 : DEA 1 (+)・(-)のどちらの血液も受け取れる※ 輸血を受ける側を「レシピエント」、血液を提供する側を「ドナー」と呼びます。※ DEA 1 (-)の犬は、DEA 1 (+)・(-)どちらの犬にも血液を提供できるため、「ユニバーサルドナー(万能ドナー)」と呼ばれることがありますが、実際の輸血では、必ず状況に応じた検査を行ったうえで判断します。※ 犬種や地域によって割合は多少異なりますが、DEA(+)は、全体の約60-70%、DEA(ー)は全体の約30-40%という報告があります。犬では、猫とは異なり、初回の輸血で直ちに強い拒否反応が起こることは稀です。そのため、輸血経験のない犬の場合、緊急時に限り、異なる血液型(例えば、DEA 1(-)の犬にDEA 1(+)の血液)を使用できる場合があります。しかしながら、DEA 1(-)の犬にDEA 1(+)の血液を輸血すると、体内で特異的な抗体が作られます。このため、2回目以降に再度DEA 1(+)の血液を輸血した場合、重篤な副反応を引き起こす危険性があります。輸血を安全に行うために犬の血液型は10種類以上ありますが、輸血の際に、まず最初に確認する最も大切な血液型が DEA 1 です。DEA 1の型(+/-)が、一致していることを確認し、さらにクロスマッチ検査で相性を調べることで、安全性の高い輸血につなげています。これらは、万が一の場面で、少しでも安全に、そして安心して治療を行うための大切な準備です。* 血液型の調べ方には、状況に応じたいくつかの方法があります。緊急時には、すぐに対応できる血液型検査キットを使用しますが、血液型をあらかじめ知っておきたい方や参考として確認したい方の場合には、外部の検査機関で調べることも可能です。三鷹アニウェル動物病院について三鷹アニウェル動物病院は、三鷹市井口を拠点に日々の診療を行っております。三鷹市・武蔵野市・小金井市・西東京市・調布市など、幅広い地域の方々にお越しいただいております。「なんとなく元気がない」「いくつか気になる症状があるけれど、どこに相談したらいいかわからない」そんなときこそ、見逃されがちな小さなサインをていねいにくみ取りながら、その子にとって最もふさわしい方法を、一緒に考えていきます。犬・猫・うさぎ・ハムスター・ハリネズミなど、幅広く診療を行っております。休診日を設けておらず、どの曜日でも診療をお受けいただけますので、ご安心いただけたらと思います。アクセスについてJR中央線「武蔵境駅」、西武多摩川線「新小金井駅」が最寄り駅となります。お車でお越しの方動物病院の前に、2台の専用駐車場(無料)あり満車の場合は、近隣のコインパーキングをご利用ください(1時間分の駐車料金を弊社にて負担いたします)【提携パーキング】・三井のリパークブックオフ武蔵境連雀通り店・SANパーク三鷹井口1すぐそばにバス停もございますので、各駅からのバスアクセスも可能です。詳細は、HPよりご確認ください。交通アクセスについて