こんにちは。
三鷹・武蔵境・小金井・調布エリアで診察を行う、三鷹アニウェル動物病院です。
今日のコラムは、『犬や猫の毛周期』についてです。
「うちの子の抜け毛が多いけど大丈夫?」「毛の生え変わりが気になる」といったご相談をお受けすることがあります。
動物たちの「毛が抜ける」「毛が生える」という現象は、実はとても規則正しく、生命維持に欠かせないサイクルの一部なんです。
今回は、その仕組みである「毛周期(もうしゅうき)」について解説します。
毛周期って何? 3つのステージ
犬や猫の被毛は、私たち人間と同じように、一定のサイクルで生え変わりを繰り返しています。この毛の一生、成長サイクルを毛周期と呼びます。
毛周期は、主に以下の3つの段階で構成されています。
1. 成長期:毛が活発に成長し、遺伝的に決まっている長さまで伸びる時期です。
💡豆知識
プードルやヨークシャー・テリアなどの長毛種は、この成長期が数年にわたり非常に長いため被毛が伸び続けます。なのでトリミングが必要になります!
2. 退行期:成長期と休止期の間の移行期間で、毛の成長が止まります。
3. 休止期:毛の成長が完全に停止している時期です。古い毛が抜け落ちるのを待ち、新しい毛を作る準備をしています。
💡豆知識
ラブラドールやビーグルなどの短毛種の毛が一定の長さに留まるのは、成長期が短くすぐに休止期へ移行するためです。短期間で毛が抜け落ちるサイクルを繰り返しているため、抜け毛の頻度が多いのです!
季節の変わり目に抜け毛が増える理由(換毛期)
多くの犬や猫は、春と秋に「換毛期(かんもうき)」と呼ばれる、大量に毛が抜ける時期を迎えます。
これは、主に日照時間や気温の変化に体が反応して、毛周期のサイクルが変化するために起こります。
季節の変わり目に一時的に抜け毛が増えるのは、健康な生理現象なのでご安心ください。
春の換毛: 冬の寒さから体を守った密生した冬毛が抜け、通気性の良い夏毛に生え変わります。
秋の換毛: 夏毛が抜け、保温性の高い冬毛が生えてくる準備をします。
💡豆知識
近年は室内飼育が増え、年間を通して温暖な環境で過ごすペットも多いため、換毛期がはっきりしない子もいます。お散歩などで、自然の日光や外の気温を感じさせてあげることも大切です。
抜け毛の原因は病気が原因の場合も
毛周期による自然な抜け毛や換毛期とは別に、以下のような変化が見られる場合は、病気が原因の脱毛(病的脱毛)の可能性も考えられます。
全身または特定の場所の毛が薄くなってきた、生えてこなくなった。
かゆみを伴い、皮膚が赤くなっている、フケが多い。
換毛期でもないのに、異常に毛が抜ける日が続いている。
毛を刈った後、なかなか毛が生えてこない。
特に、ホルモンの病気(甲状腺機能低下症など)や皮膚病、生まれつきの毛周期の異常(脱毛症X、毛周期停止など)が、毛周期に影響を与えることがあります。
毛周期は、遺伝(犬種)やホルモン、栄養状態など、多くの要因によって調整されています。
💡豆知識:病的脱毛との見分け方
換毛期で毛が抜けているのか病的脱毛なのか判断に困った時は、以下の点を確認してみてください。
チェック項目 | 換毛期による脱毛(健康的) | 病気による脱毛(要注意) |
1. 季節性/タイミング | 春(夏毛へ)と秋(冬毛へ)の決まった時期に起こる | 季節に関係なく、突然、あるいは徐々に抜け始める |
2. 脱毛のパターン | 全身の毛が均一に薄くなる(特にアンダーコート)。地肌が見えても、全体的に薄い印象 | 特定の部位だけがハゲる、または毛が薄くなる(感染症、心因性など) |
3. 皮膚の状態 | 皮膚の色は正常で、赤みや炎症、フケ、かゆみはほとんどない | 皮膚に異常がある(赤み、湿疹、フケ、黒ずみ、べたつき)または強いかゆみを伴う |
三鷹アニウェル動物病院について
三鷹市や武蔵野市、調布市、小金井市、西東京市を中心に多くの患者様より、皮膚や被毛に関するご相談をいただいております。
「ちょっと毛の状態がおかしい?」「抜け毛が多くて心配」と感じた際は、遠慮なくご相談ください。
毛の状態や皮膚をしっかり診察し、健康的な被毛を保つために共に方針を決めていけたらと思います。

